注)はやとの妄想大爆発。

   他の作品よりも著しく、【腐】向けなので苦手な方は見ない方がよろしいかと…。

   大丈夫な方は、そのまんまスクロールを下にしていってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雷蔵  三郎  兵助  八左ヱ門長次

 

【半分平和な午後の段】

 

 

「平和だなぁ…」

ぽかぽか陽気の午後…。
授業も先生の都合でなくなり、忙しい毎日が束の間の休息を得た。

こんな日は町に出て団子でも食べに行こうか…
それとも、ゆっくりと図書室の書架の整理でもしようか…
あぁ、あまりにも気持ち良い…このまま昼寝をして日頃の疲れをとってもいいなぁ…

そんなことをうつらうつら考えながら、雷蔵は廊下を歩いていた。

しかし、その休息はあっと言う間に暗転する。


「おーまーえ〜〜〜、なんてことすんだよ!!」

「え?どうしたの?突然」

向こうから走ってきたい組の久々知兵助が、怒って胸倉をつかんできたのだ。
眠気もいっぺんで覚め、ちょっと慌てる。
険しい目つきで見つめてきた兵助と雷蔵はしばし見つめあった。

「あっ…あ…ぁ…、わりぃ、間違えた!」

慌てて手を離し、兵助は謝った。
さっきとはまったく違う笑顔になりひらひらと手を振る。
その笑顔になんか胡散臭いものを感じ、雷蔵はジト目になった。

「兵助…。なにか隠してないか?」

「いやっ、べつに!ぜーーんぜん!」

「こんの、馬鹿ーーーーーー!!!」

ベシッ

問いただしていると、後ろから思い切りはたかれた。

「違う!八!これは違うから!」

「あっ、ヤベ、もしかして雷蔵だった?」

兵助の言葉に、たった今雷蔵の頭をどついてしまった竹谷八左ヱ門は慌てる。

「オマエ何されたんだよ?」
「後輩連中に毒虫集めさせてたんだけどな、変装でびっくりさせるもんだから皆逃がしちゃって、今生物委員大変だったの!
 ところでお前は?」
「食堂のおばちゃんに僕の顔使ってさ、今日は豆腐いらないって言いに行ったんだよ!余計なことしやがって〜」
雷蔵にバレないように、二人でボソボソ何やら話している。

ここまでくれば決定的だ。
想い当たる節は一つしかない。
はたかれた頭を押さえつつ、雷蔵は怒りに目を閉じた。


「ら、雷蔵?どこ行くんだ?」

「図書室!」

「そっか…殴って悪かった…」

「八が謝ることじゃないよ。」


友人らに慰められつつ、雷蔵は憤然と廊下を歩いた。
腹立たしい。
昔からと言えば、そうかもしれないが…。
気持ち良い午後が台無しになったような気がして、イライラする。
こんな時は、静かな本に囲まれて心を落ち着けたい。
そうすれば、きっと…

うん、またゴキゲンになるはずだ。


雷蔵はそのことを思って、少し気持ちが切り換えられた。
整理をしようか?
それとも、読もうか?
どちらも、彼が好きな行為だ。


「失礼します」

ひゅっ

少し薄暗い所から何かが飛んでくる。
気配を感じた同時には、もう身体が動いていた。
これも忍たまとしての日頃の鍛練の賜物だろう。

カツと本棚に突き刺さったのは、縄標。
見慣れたものだ。


「せ、先輩!?なにするんです?」

無表情だがいつもは優しい図書委員長、中在家長次がのっそりと現れた。
しかし、今日は心なしか険しい顔をしているような気がする。
続いて、貸出カードを投げてくる。

「貸出期限が切れている…」

しかし、雷蔵には覚えがなかった。

「ちょ、ちょっと待って下さい。ぼく、こんな本借りた覚え――」

続いて投げ渡される、ノート。
開いてみてみると、「不破雷蔵」とちゃんと書かれている。
筆跡も雷蔵のものだ。

しかし、本人には覚えがないのだから、答えは一つだ。

「鉢屋か…?」

「はい。あいつ…!すみません、今探して連れてきます。
 ちゃんと本も持ってきますから…」

くるっと踵を返して、一目散に駈け出した。

 

三郎…あのバカーーーー!!

 

 

彼が捜している、鉢屋三郎…
学園一の変装の達人と言われ、誰も素顔をみたことはない。
いつもは彼…不破雷蔵の顔をしている。

これは昔からだが、三郎の悪戯好きが高じて、時折とばっちりを食らう。
雷蔵が誤解されるパターンと、三郎だと思われて怒られるパターンだ。
同じ顔。
変装名人の名は伊達ではない。

しかし…
とばっちりを食う方としては、たまったもんではない。
普段は温厚な雷蔵だが、平和な午後を邪魔された揚句敬愛する先輩に誤解されたことが悔しくてたまらないのだった。

 


「三郎…子どもか、アイツは!」

駆けながら毒づく。
すぐ見つけるはずが、どこにもいず。
ついでに、教師にまでも「鉢屋!」と怒鳴られて雷蔵は決心した。

 

今日とゆー今日は…
絶対思い知らせてやる!!!


見つからないのがもどかしい。
いつもそこらへんで遊んでるはずなのに。

一旦、体勢を整えようと雷蔵は自室に戻った。


「遅かったな!」

「三郎!?」

しかし、探し人はあっさりと彼の部屋でニコニコしていたのだった。
その笑顔はまったく罪悪を感じてないようで、雷蔵は脱力した。

が、脱力してもいられない。
ナメられないように、きっと顔をあげると

「ちょっとそこに座りなさい!」

寝そべっていた三郎はあまりの剣幕に、反射的に正座をした。
雷蔵が怒っている。
なんだかヤバイ。


「どうしたんだよ?」

「どうもこうもないよ!図書室にぼくのふりして本借りて…返してないだろ!」

「あ!…忘れてた」

「どうしてぼくのふりしたんだよ?」

「やー、俺の貸出数はもう終わっちゃっててな。
 どうしても借りたかったからさ〜」

へらっと笑って軽く流そうとする三郎に、雷蔵はどなった。

「勝手に借りるなよ!ぼくが中在家先輩に怒られただろ!!!
 それだけじゃなく…八も兵助にも…先生にだって…
 三郎のせいで、今日は皆に怒られてばっかりだったんだぞ!」

せっかく、平和に過ごそうと思ってたのに!もう!

「あーわりわり(^し^;)」

あくまで軽い態度で済まそうとする三郎だったので…
怒りを通り越してしゅーーーーっと頭の芯が冷静になっていく。

 

  ドウシテヤロウカ!?

まったく懲りてない。
懲りなきゃ同じことをまたやる。
どうしてやろうか?

腕組みをして、少し考える。

「おーい、らいぞーー!怒るなよ〜」

少し困ったような笑顔。
普段は傲岸不遜に笑う男の、時折見せる、弱み。
この笑顔に負けていつもは許していたんだった。
いつもいつも…
でも、いい加減怒ってもいいんじゃないか?


雷蔵は、目を細めて見下ろし、許さないオーラを出す。
怒り方も、ふくれっ面だけじゃコイツをびびらすことはできない。
いいか、あくまで冷然と。
冷酷に決断せよ。


怒鳴り声の後は一転、静かになった雷蔵。
いつもと違う雰囲気に、三郎も気づき慌てる。

「ごめんごめん!」

本気で怒らすつもりはなかった。
大好きな親友。

「駄目。」

きっぱりと冷たい声で言われて、三郎は困惑する。

「…君ね。少し懲りた方がいい。」

「懲りた!懲りたから!」

「この際、まだ嘘言うの?余計怒りを買うだけだってまだわかんないの?」

ぞく。
三郎は背筋が寒くなった。
にこり。
そこで微笑んだ雷蔵は、本当に怖く見えた。


「お尻」

「は?」

「お尻出しなさい」

真顔でそんなことを言う、雷蔵。
三郎は驚愕した。


「ちょちょちょちょちょっと!!待って!」

「待たない!ホラ、お尻!」

これでは子どもを叱る母親のようだ。
しかしそれを今言うほど、三郎もバカではなかった。
お尻を出せ→お尻ペンペンという図式は簡単に想像できる。
なんとか、回避しようと試みよう。

 

                              

 


「ちょっと!待てって!
 俺、もう五年生…!」

「タチの悪いイタズラをしているようじゃぁ、まだまだコドモだよ!
 一年は組の方がまだ可愛げがあるよ!」

一刀両断に切り捨てられる。
比較された一年は組は「なんでそこに僕たちが出てくるの?」と文句を言いそうだったが、
あいにくと、ここは二人だけだった。


「雷蔵くん!、いえ、雷蔵様!もう決していたしません。
 すぐさま、中在家先輩に本返してきま…」

「いいの。後で僕が行くから!」

素早く出て行こうとした襟首ひっつかまえて、(その際「ぐえ」と喉がしめつけられて三郎が呻いていたようだが、気にしない)
雷蔵はとっときの笑顔を出した。

「これが最後通告だよ?さぁ、お・し・りっ」

 

 

                   

 

 


「逃げられない」そのことがわかると、三郎は気持ちを切り替えた。
う、なんか子どもの時と違って、今は羞恥しか感じない。
久しぶりに一年生の時を思い出して、三郎は恥ずかしくなった。
一年生の時←落第忍者乱太郎番外編を読んでください)
当時は、必死だった…
が、それにしてもよくあんな真似をしたもんだ…。

あの時のように進んでお尻を出す気にはなれなかったが、このままごねていたら見捨てられるかもしれない。
怒りが収まらなかったら…もっと悪いことになるような気がする。

以前怒らせた時は、2週間口を利いてくれなかった。
あれは辛い。
無視をされるくらいだったら、お尻を叩かれた方がマシだ。


しぶしぶ、三郎は帯をとき、袴を(できるだけゆっくり)脱いだ。
褌があるのがまだマシだが、尻部分が隠れないので、意味はない。
四つん這いになって、お尻を差し出す。


観念した三郎を見て、雷蔵は満足そうに近寄った。

一年生の時はよくわからなかったが、今は違う。
冷静に…

 


さぁて、たっぷりとお仕置きしてあげる。

 

 


「三郎…いくよ…」

ちょっといつもより低めな声を聞いて、覚悟をきめて床につけた拳をにぎる。


バチーン!!

――痛…!

激しい音がして、予想通りの結構な痛みが広がった。
無言で耐えた三郎だが、雷蔵は一発だけで終わらす気はなかった。

そのまま、スピードと力をこめて叩きぬく。

ビシーー!!

少年らしい、肉の少ないお尻。
四つん這いになったせいで、より皮膚が張っている。
だから、叩かれると内部にまで痛みが広がってきて…なかなか辛い。

ビシ!
 

バシ!

ばち!

掌がお尻に当たっては離れていく。

 

 

――こ…れ…は相当お怒りだな……

叫ばないように、唇を噛みしめて思う。

これから気が済むまで、叩かれるのであろう。
ここまで怒らす気はなかったため、調子に乗りすぎた己に嘆息する思いだ。
どうも、面白くってやりすぎてしまう。
そして怒らせてから気づくのだ。
悪戯のやりすぎだと。

いつも思うが…俺は馬鹿か?

 

怒った顔も反応も可愛い…なんてことは口が裂けても言えない。
竹鞭でも持ってこられたらどうするんだ。
しかし、平手でも結構痛い。


バシッ!

バシッ!


お尻全体が燃えるように痛くなってくる。

じんわりと汗まで滲んできた。
たかが尻叩きと言えども、侮れない。

 


三郎は今や必死に耐えていた。
息をとめ、身動きせずに。
いずれ、やめてくれるんだから。

しかし、思ったよりも長くて、呼吸が苦しくなってきた。

「はぁう!!」

息を吐いた瞬間、強烈な一撃がお尻と腿の境目を押しつぶしてきたので、思わず悲鳴を上げる。
乱れた呼吸が元にもどらず、それからは悲鳴が隠せなくなった。

バシ!!

「あっ」

バシ!!

「うぁ!」

ビシッ!!

「ぁあっ」

 

 

                                               

 

 

 

 

雷蔵は冷静に三郎を観察していた。
耳まで真っ赤になった頬。
汗が流れおち、髪がへばりついている。

けっこうな時間叩いたお尻は、顔と同じくらい真っ赤になっていた。

ところどころに、ぷつぷつと内出血のような点ができている。


嘘偽りなく、限界に近い。
そろそろか…

「もう、こんなことしないんだよ?わかってる?」

バシ!!

「は…い…!」

「言うことは!?」

バシッ!!

「ご…ごめ…」

「なに?聞こえない!はっきり!」

バシッ!!

「ゴメンナサイ…」

「…これで終わり!」

バッチーーーン!!

 

 


終わりと言ってから飛んできた痛恨の一撃をくらってから、三郎は床にのびた。

 

終わった…

痛かった…

長かった…

袴を直してないので、みっともない姿だがもういい…。
今更だ。

床の冷たさが気持ちいい…。

じりじりと疼く尻をそのまんまにして、しばらくの間は息を整える。

 

「ら…雷蔵…」

「ん?」

「も…怒ってないか?」

「うん。もう怒ってないよ。仕方ないな、三郎は!」

穏やかな声が返ってきて、わしゃわしゃと髪が乱暴に撫でられる。
それから、頬にへばりついた髪を丁寧に耳の後ろに寄せてくれるのを感じた。

その手の感触と、返ってきた答えに満足して三郎は眼を閉じた。

本当に気持ちが良い。


「わりーーー…。なんか、ねむ…」


急に眠気が襲ってきた。
そのまま、すぅっと目を閉じて寝てしまう三郎を見て、雷蔵はちょっと笑ってしまった。

ホントにまだ子どもなんだから!

 

お尻は痛々しいほど真っ赤に腫れているが、一年生の時のように罪悪感は抱かない。
けど、このまんまほっとくのも悪いと思って雷蔵は、布団をかけてやった。
また明日から授業授業、鍛錬鍛練、だ。

休めるときにゆっくり休んどけよ。

 

「団子でも買ってきてやるよ…」

くすりと笑って、最後にもう一回髪をかき混ぜると雷蔵は、機嫌良く町へ出かけて行った。

 

 

 

 

 

2009年2月18日

はやと

 

 

 

ぐあぁ、甘い!願望ありありの鉢雷でスパ小説(笑)

オカン化雷蔵と、子どものような三郎です。楽しかったぁwww

久々知兵助…豆腐が好きとゆー裏情報あり。

竹谷八左ヱ門…熱血生物委員

雷蔵と三郎とこの2人が、公式の忍術学園五年生です。

途中なんで雷蔵にバレないように話していたかというと、大げんかに勃発することを恐れているからです(って入らなかった補足)

ついでに、本は目覚めた三郎が即刻返しに行きました。長次は返してくれればいいらしくゲンコだけで許してくれたようですwww

その後は帰ってきた雷蔵と、三郎・それから兵助と八も来て仲良くお団子食べました!

ちなみに三郎の一人称は「私」のはずですが、「俺」の方がしっくりくるので変えました。すまん。

とりあえず、やっちまった感がありますが、ごねんなさい。ちがった、ゴメンナサイ(笑)

はやとは仲良し五年生が大好きです!!鉢雷が大好きです!!!


 

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