【ちぁーずへようこそ〜☆☆☆    6】

 

お久しぶり!
ちぁーずでうさぎやってるメロンだぴょんw

…これから、箱根にいってきます。
年末恒例の、お疲れ様旅行だぴょん(^▽^)

 

*****


「箱根か〜、ちっかいなぁ〜」

「これ、じょん!文句があるならお留守番してなさい!」

「あー、ごめん〜、箱根イイトコ!連れてってなのだ!」

「あはははは!」

「まぁ…近いのは確かよね〜(笑)町田からロマンスカーで1時間だもの」

 

                            

 

                           

 

                            

 


はい、「あにまる喫茶ちぁーず」は小田急町田駅から徒歩5分。

それなりに賑やかな街の一角に、ほそぼそとOPEN中☆

だんだんと人気を博しているところが、侮れない。
あにまる喫茶とはその名の通り、色んな動物たちを真似、コスプレした女性たちが働いている喫茶店だ。

マニアックな趣味を持つ男性客は、こっそり行ってみるも良かろう。
可愛いもの好きな女性客も是非是非どうぞ!
(意外と女性客も多いぞ☆)


クリームイエローの可愛らしい、…色んな動物たちが描かれている扉は、さながらペットショップを思わせる。
犬、うさぎ、猫、パンダ、アライグマ、ひよこ。
可愛らしいものから、豹、虎、狼なんていうのまでいるのだ。

9人のスタッフがあにまる化して、楽しく働く喫茶店、今日と明日は臨時休業ですw

 

総勢9名の大所帯!
ロマンスカーに乗るのもひと騒動w

 

「あ!4人掛けのところに座ったら…一人余っちゃう…」

「いいわ、私寝てたいから。気にしないで盛り上がって頂戴。」

「バル、いいの?」

「もちろん!昨日寝るの3時だったのよ」←それは遅すぎ…

「じゃぁー、お菓子食べる人〜」

「あ、一本ちょうだい!」


そんなこんなで仲良く、箱根の温泉街へ向かう一同だった。

近場でも、旅行は嬉しいもの。
ところが箱根についたら、寒くいまにも雨が降ってきそうな空模様…。

「あーあ、これは大人しくしてた方が良さそうだな…。」

「そうね、旅館に早めに行って、明日に美術館やお土産を見て帰りましょう」


年長者の言葉に、箱根の探索を楽しみにしていた年少者はガッカリ顔だ。

「早く見たかったんだけどなぁ」

「明日まで待とうね、ぴょちゃん(^^)」

優しく奸奸に言われて、素直にぴょちゃんも頷いた。

「はぁい!」

 

平日だからか、客は少ない。
バスに揺られて旅館までやってきた一同は、3人部屋と6人部屋に分かれた。
年長の3人は、リラックスをして安らぎたいため少人数の方が落ち着く。
逆にあとのメンバーは、人数が多い方がトランプやゲームをしても盛り上がるので嬉しい。

というわけで、不公平なようだが納得の部屋割り。


「夕食は6時半に食堂に予約してるから。遅れないでね」

「それまで自由なの?」

「そうよ、楽しんで!」

「じゃぁ、また後でね」

 


更紗(狼)とバルドゥ(豹)と睡蓮(虎)は、マッサージをしてもらう予定だ。

「普段ずっと立ちっぱなしだから、足がむくむんだもの〜」

「私は最近肩こりで…」

「あ、私も!…なんか私たち、年寄りくさい〜???」

「「それは言わないお約束!!」」

 

他の6人は…

「ん〜、畳のイイにおい!」

「わぁ〜〜〜ひろーい!ひろーい!」

「枕投げできるのだ!(>▽<)」

「それは…(^^;)チョットネ…」

「お茶がとりつけてあるよ!飲む?」

「飲む〜」

と盛り上がっていた。
UNOとトランプでひとしきり遊んだあとは、温泉組と探検組に別れて過ごすことになった。
奇しくも年中(パンダ・アライグマ・うさぎ)と年少(猫・犬・ひよこ)ときれいに分かれることに。
温泉組は、美容のために!
探検組は、面白そうだから!

「じゃぁね〜!時間忘れるなヨw」

「うん!」

どうせあとは夕飯をたべて休むだけ。
時間はたっぷりある。
旅館の中は広く、暇つぶしに探検するのにはもってこいなのだ。
ぴょちゃんと、じょんとさぁらは冒険気分でうきうきしていた。

きょろきょろと色んな名前の部屋があるのを見つけて楽しんだり、土産物屋を見たり。
ぐるぐると見ているうちに、3人はロビーの受付にたどりついた。
外を見ると、晴れ間が射している。

「うわぁ…」

「なんだ〜、晴れたね!」

「ねー、美術館行けたね〜wまぁしょうがないかぁ…」

「あ、じゃぁ庭、探検しよっか?」

いいね〜いいね〜、と外へ出ると、敷地内の庭園にたどりついた。
冬に近付いているので花はないが、春になったらきれいな花が咲くに違いない。
3人は、肌寒いが晴れ間が差し込んでいる風の心地よさにご機嫌だった。
枯れ葉を踏みしめて、歩いていると分かれ道にきた。

「どっちに行った方がいいかな?」

「細い道と太い道だね。」

「細い道の方が冒険ぽくて面白そうなのだ!」

そして、細い道に入っていく。

 

そして…これが…間違いだった。←お約束

 

 

 

 


…いけどもいけども、何もない。
山の脇道に入ってしまったのか。
うっそうとした木々に囲まれて、それでも歩いていたが。
だんだんと日が傾き、辺りが暗くなってきた。

「ねぇ、今何時?」

「うんとね…5時40分なのだ」

「あー、残念。30分くらい歩いてるからそろそろ帰らなきゃ。夕食の時間に間に合わないわよ」

「なにもなかったね!」

行くのを断念し途中で引き返したのだが、時間的にも余裕をもったつもりだったが…。
元の分かれ道のところまで来て、旅館の方へ帰るつもりだったのに道の太さが同じだったため
旅館とは反対の道に進んでしまった。
もちろん、三人とも気づいていない。
探検に疲れて、お腹もすいていた。

まぁ、6時半には十分間に合う。
だってさっきは5時40分、30分歩いても6時10分。
ほら余裕…。

 

 

「ねぇ、おかしいわ。全然たどりつかない」

「今何時?」

すでに真っ暗闇の森の中。
庭園にすらたどりついてない。
たまたま2人は部屋に置いてきてしまい、じょんが持ってきていた携帯電話の液晶を頼りに、時間を確かめる。

「6時20分(−−;)」

「ほら!」

「えー、どうしてなのだ!?」

「とにかく、ちょっと遅れるって電話して…」

「あ!!」

「なに?」

「電波がないのだ…」

がーーーん。
擬音にするとちょうどそんなカンジで、3人は固まった。
箱根の真っ暗な夜の森…
不安感が増してきた。
この中で最年長…さぁら(18)は自分がしっかりしなくちゃ、と決意するものの…
実はこの中で一番怖がりでもある。
のしかかってくるような闇におびえてしまうのだ。

ぴょちゃん(17)が今の一番気にかかってるのは、「時間までに間に合わない」ということ。
基本、言いつけられたことは守りたい。
時間がせまる中で、心臓がきゅうとしめつけられるような感覚を覚えた。

そしてこの中で一番最年少だが、一番無鉄砲…じゃなかった豪胆なじょん(16)。
このままではらちが明かないので、彼女自身はこのまま歩きたい。
歩かないとともかく救いはないのだ。
「このまま歩けばなんとかなるんじゃないか」という楽観的観測もある。

もう少しこのままの方向で歩くか、引き返すか。

相談して、引き返すことをきめた3人だったが、そのころには約束の6時半(18時半)になっていた。

 

 

 

 

「おそいね…」

「ねぇ…」

温泉に入ってお土産屋に繰り出したメロン、奸奸、るーただったが、同室の3人の姿が見えない。
しかたなく、夕食の食堂に向かった。
早目に行ってるのかもしれない、と希望をかけながら。

「あら、いい顔ね、お風呂入ったの?」

「はい♪いいお湯でしたよ」

先に来ていたのは、更紗たち。

「ん?あとの3人はどうしたんだ?」

気づいた睡蓮が問うと、

「それが探検にいくと言って…そのまま戻らなかったんです…。」

「お土産屋さんも見たのですが…」

「…そう…。もう少し待ってみましょう」

目の前には、既に前菜や鍋の用意がされていたが火をつけてもらうのはストップして、待ってみることにした。
が、10分。15分。30分。

30分も過ぎると、流石に心配になってくる。


「どうしたのかしら…」

「ケータイになにか入ってる?」

「いえ…」

「まさか事件にまきこまれたわけじゃないですよね?」

「縁起でもないこと言わないで〜」

「ちょっと見てくる。」

「私も。」

念のため3人の携帯電話に掛けてみたが、通じない。
睡蓮とるーたが席を立ち、あとのメンバーもそわそわ。
店のスタッフも気にかけてくれている。

「ごめんなさいね…☆また、やらかしたかしらあのコら…」

メンバー3人のうち2人は妹な更紗は、心配しながらも溜息をつく。
嫌な空気だった。

 


***

「あ、分かれ道!」

「あー!こっちが細い道だから…こっちが旅館への戻り道じゃん!」

「私たち、真逆な方向へ進んでたんだわ…(^^;)」

もうクタクタだったが(だってもう2時間は歩いてる)、進むしか道はない。
そして、ゴールが間近いことを知って、多少は勇気づけられた3人だった。
しかし、

「あぁ…もう7時10分…」

「怒ってるかな…、皆…」

「お腹空いたのだ〜、メシー!」

と憂鬱になるのだった。

 

 

しかし、さらに歩いていくと、

「あぁ!ケータイの電波復活!」

「え!ホント!?」

森から旅館に近付いたためか、ずっと握りしめていた携帯電話の電波がつながった。
慌てて、更紗へ掛ける。

――prrrrr

がちゃw

「ねーちゃん、ごはんは!?」

まずそれ!?∑(゜Д゜)∑(゜Д゜)
さぁらとぴょちゃんは固まった。
…まぁそれは更紗も同じらしい。
ケータイを握りしめて、耳元でノーテンキに訴えてくる末妹の声に青筋をたてる。

「じょん!今どこにいるの!?」

「あ!森で…歩いてる!」

「じょん…」

アンタってコは…国語能力の低い…(−−#)

「あ、お姉ちゃん!あたし!さぁら!」

慌てて、妹のケータイをひったくりさぁらがフォローに入る。
このままじょんに任せておいたら、ちっとも話が進まない

「外に探検に出たら…道に迷っちゃって…庭園の方に今向かってるの。遅くなってごめん!」

「迷った…?大丈夫なの?…そう…もうわかったのね。とにかく早く戻ってらっしゃい。
 庭園の方にお姉ちゃん行くから。じゃ。」

がちゃり。

心なしか怒った声のように聞こえて、さぁらはすーっと背筋が寒くなった。
ヤバい、このままじゃ叱られる。
それもこれも…

「じょんがバカなこと言うから、お姉ちゃん怒っちゃったじゃない!!」

思わず強い口調になり、睨みつける。
私だってお腹空いた。
足も疲れた。
もうヤダ!

「バカ!?なんだよ!その言い方!!」

じょんも、その言い方にカチンときたらしく、憤然と見返した。

「ねぇ…ケンカやめようよ…もうちょっとじゃない…」

ぴょちゃんはおろおろとして取り直そうとしたが…
2人の苛立った気持ちは収まらない。
ますますヒートアップしていく姉妹喧嘩。
そんな2人の間に挟まれて、すっかり困り果ててしまった。

――どうしよう、どうしよう〜〜〜(>△<)

あともうちょっとなんだから…庭園にいる更紗さんを呼びに行こう!


ぴょちゃんだって疲れていたが、最後の力を振り絞って言い争っている2人を残して、走り出した。

 

 

 

 

 


「スイ、るーちゃん!」

探しに行った2人がロビーで歩いてるのを見つけて、更紗は声をかけた。

「更紗さん!見つかったんですか!?」

「それがね…」

2人も誘って庭園へ向かう。
かくかくしかじかw
訳を話すと、睡蓮もるーたも笑いだした。

「なにそれ、迷っちゃったの?バカだな〜」

「もう、笑いごとじゃないわよ、心配かけて〜!あのコたちったら!」

ぷん!
更紗はちょっとぷりぷりしている。
最初の反省のカケラもない「ごはんは?」の一言がひっかかっているらしいwww

と、ちょうど庭園まで来たとき、向こうの道から走り寄ってくる人影が見えた。

「更紗さーーーん!」

「あれは…ぴょちゃん!?」

ぜーはーぜーはー…
走ってきたため、たどりついたときは息絶え絶えだ。

「ちょっと大丈夫?」

「は…はひ……あ…」

「じょんとさぁらは?」

「け…」

「け…?」

「ケンカしちゃってますぅ…!」

そこで緊張の糸が切れたのか、涙目に…。
シクシクと泣き出したぴょちゃんを見て、更紗はため息をついた。


あ の バ カ 妹 ど も !

 

「るーちゃん、悪いわね、ぴょちゃん連れて食堂へ戻ってくれる?
 あと20分くらいでそっちに行くから。」

「いいですけど…どうするんですか?」

「ちょっと話が必要なようだから…」

「…(゜▽゜;)
    ハイ…わかりました……」

にっこりとほほ笑んだ更紗の顔がけっこう怖くて、るーたはぴょちゃんを連れてそそくさと去って行った。
がんばれ、さぁちゃん、じょん!
ぴょちゃんにも落ち着く時間が必要だろう。

 

「スイ?」

「…はいよ」

睡蓮も観念したw
2人も一度にお仕置きできないから、自分は片方をやるってことだな。

「どっちヤればいい?」

「そうね…やっぱり私がじょんをやるわ。」

「OK」


道をたどっていくと、聞こえる、聞こえる。
大きい声が。

「もっかい言ってみろよ!」

「何回でも言うわよ!このバカ犬!
 脳みそまで犬なアンタに私の苦労はわかんないわよ!
 いつもいつも!」

「いつもってなんだよ!」

「子どものころからそうじゃない!
     もうちょっとモノを考えてから話すのね!」

口論では、さぁらに分があるようだ。

「はい、そこまで!」

――ぎくぅ!!

前方からの鋭い声に、2人は固まった。

「ねぇちゃん!睡蓮!!」

「なんで…」

 

 

         続きへ 

 

 

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