【ちぁーずへようこそ〜☆☆☆】
わんわんわん!!!
小柄な犬を思わせる動きで、元気いっぱいの少女が鳴いている。
哀しげではなく、怒ってるのでもなく、とにかく楽しそうなのだ。
じゃれついている先には、テーブルについた男性客。
「アイスコーホーになりますのだ〜!!」
「…アイスコーヒーでしょ?」
「噛んじゃったのだ☆テヘvvvゴメンネ〜わん☆☆」
「…(萌)v いいよ〜、ありがとーね〜」
わんこの耳をつけ、にこにこと給仕をしている少女の名前は
「じょん」。
「ジョン」でなく、あくまで素朴に「じょん」なのだ。
そしてここはかの有名なアキバ…ではなく、都心からかなり離れた町田の駅にある、「メイド喫茶」ならぬ「あにまる喫茶…ちぁーず」。
それなりに賑やかな街の一角に、ほそぼそとOPEN中☆
だんだんと人気を博しているところが、侮れない。
あにまる喫茶とはその名の通り、色んな動物たちを真似コスプレした女性たちが働いている喫茶店だ。
マニアックな趣味を持つ男性客は、こっそり行ってみるも良かろう。
町田駅小田急線側…階段をのぼって、あっちへいって、こっちへ曲がって、そっちにいくと、ビル街があるから、曲がり角から4つ目のビルの向かい側の通路をぬけて、とにかくマンション風建物一階に目的地はある。
窓ガラスにはレースのカーテンが引かれ、外から中の様子は見れないが…
クリームイエローの可愛らしい、…色んな動物たちが描かれている扉はさながらペットショップを思わせる。
犬、うさぎ、猫、パンダ、アライグマ、ひよこ。可愛らしいものから、豹、虎、狼なんていうのまでいるのだ。
9人のスタッフがあにまる化して、楽しく働くあにまる喫茶。
本日はここにお邪魔したいと思う。
「いらっしゃいませ〜わん!」
まず、迎えてくれたのは先ほども紹介したわんこ、「じょん」。
茶色で短めの髪の毛に、茶色の耳をつけ、同じ茶系のチェックのミニスカートをはいている。
しっぽとブーツはふさふさだ。
16歳。
ここの店では一番の末っ子だ。
未成年じゃないか!とツッコミを入れたくなるが、喫茶店のバイトくらい、高校生だったらしてもいいはず。
しかもこの店のマスターで、狼をしている「更叉(さらさ)」さん(29歳)の末妹なのだ。
お家の仕事をお手伝いしているじょんちゃんはイイコだねw
ww
ちなみに更叉は、ちょっとキケンな香りのする大人の女性ってか?
真ん中の妹が猫の「さぁら」(18歳)。
長髪で大人しめ。雰囲気は少し更叉に似ている。
少し固そうな笑顔が特色で、それでも「…にゃん」と語尾に律儀につけるところが「萌え」ともっぱらの評判。
他のスタッフは全員血縁関係ではないが、皆仲良しだ。
虎の「睡蓮」(29歳)や豹の「バルドゥ」(29歳)は更叉の高校からの友達。
うさぎの「メロン」(20歳)はさぁらと、ひよこの「ぴょちゃん」(17歳)はじょんと。
パンダの「奸奸(かんかん)」(24歳)とアライグマの「るーた」(24歳)は得に仲良しな関係だったりもする。
あにまる喫茶は、人間の世俗に疲れている男性たちの癒しとなるべく働いている!…らしい。
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ちぁーずミニ話 1☆
がっしゃーん!!
お皿の割れる音がする。
「ああああ〜〜〜!!!!やだぁ!!!やっちゃったぁぁあ!!!」
この店では、粗相をするとペナルティとゆー規則がある。
それは、客には勿論知られていないのだが、この店が出来たときからのルールなのだ。
客から見えない、カウンターの中側にホワイトボードがあり、それは別名「恐怖ボード」と呼ばれている。
粗相をした際は、いちいちボードの側にいた誰かが「はい、粗相〜♪」とつぶやき、簡単に罪を記しておくのである。
この時はるーたがやってしまった。
メロンが、簡単にるーたの表に「お皿2枚割」と書いておく。
その罪は、閉店(20時以降)にスタッフルームで償わされる。
罰は…「お尻ぺんぺんの刑」。
楽しく夕食をとる時間。
仲良し…姉妹のような彼女らは賑やかだ。
笑いが満ち溢れ、接客して疲れた心身を癒していく時間が気持ちいい。
けれど、この日、るーたの笑顔はぎこちないのである。
ぴくぴくっ
夕食時間が終わり9時になると、解散前に刑は行われる。
カウンター席用の高い椅子に、年長者(狼・虎・豹)の誰かが座り、粗相をした者を膝に乗せて叩くのだ。
なぜ年長者というと、その方が年下に叩かれるよりも屈辱ではないから、という理由。
他のスタッフは、少し離れたところから、見ているのである。
一見えげつない罰のようだが、刑が始まる直前まで仲良く。
軽い粗相なら怒るという、ぴりぴりした雰囲気ではなく、のほほんとしている。
刑が終わればいつもどおりの関係に戻る。
見ていたほうも、自分が叩かれる側になったことがあるので何も言わない。
叩かれたほうも終わった解放感を味わいながら帰れるので問題はないようだ。
「るー、おいで」
虎…金髪でショートカットの睡蓮が、腰かけ言った。
睡蓮は170センチを越す背の高い女性だから、迫力もある。
るーたは、158センチ。おかっぱ頭で、普段は愛嬌たっぷりでよく笑わせてくれる女の子だが、今は呼ばれるとびくっとしておずおずと近づいていった。
5歳上のお姉さん的な存在に、叩かれることが純粋に怖い(^^;)
この日は、お皿2枚とそのショックで、注文忘れを1回してしまった粗相…の罪。
苦笑しながら、睡蓮は言う。
「もう少し、気をつけなきゃな☆お皿で怪我でもしたら危ないだろーが」
そう言いながら、抱き上げるようにして膝の上においた。
掛けていたメガネとアライグマのしっぽがついているスカートは邪魔なので下ろし、バルドゥに渡す。
赤いストライプの可愛いパンツを下ろし、ぷりっとしたお尻を出す。
「いやぁん(汗)」
はずかしくて暴れたい気持ちを必死に堪えながら、ぎゅっとるーたは目をつぶる。
「更、20でいい?」
「そうね、それくらいでいいわ。」
「じゃ、いくからな。ガマンしとけよっ」
「よっ」の部分で、振り上げた掌を無造作に振り下ろした。
ぴしゃん!!
「ひゃう!」
ぴしゃん!! ぴしゃん!! ぴしゃん!!
ゆっくりとでも的確に、お尻を攻められてるーたは小さく悲鳴を漏らした。
ぴくっ
普段、お仕置きをされやすい年少組(犬、ひよこ、猫、うさぎ)は自分もつられて痛そうに顔をしかめながら眺めている。
年長者は平然と。
彼女らが粗相をすることは滅多にない(が、例外はあり、そんな場合は虎・狼・豹が互いにやりあう)。
同い年の奸奸もちょっぴり顔がひきつっている。
ぴしゃん!!
お尻がほんのりと桃色に色づき始めたころ、時間にして3分程であろうか。
あっという間の時間だが、るーたにとっては長い。
「おわりだよ!」
ぴしぃ!!!
はぁはぁはぁ…
顔が上気してお尻と同じくらいの色になっている。
目をつぶりすぎて、ちょっぴりうるんでいるるーたに、「あー、もう!」と言いながら睡蓮はぎゅぅと抱きしめて、「かーわいいな!もう!」と言った。
くす、笑いが更叉から漏れ、それが皆に伝染していった。
あははははは!!!
「これからは気をつけろよ!」
くしゃっと髪を触られて、るーたもやっと照れたように笑い「ハイ。ゴメンナサ〜イ」
こうして、短い時間だが緊張する時間が終わり、見ていた者にも「自分も気をつけなきゃ」という気持ちにさせるのだから、なかなかいい効果をあげいる。
「じゃぁ、また明日もよろしくおねがいします!!」
午後10時。簡単なミーティングと掃除を終えて解散していく。
仲良し8人がやっているのだから、皆仕事は楽しんでいる。
明るい笑い声で本日も〆!
また明日、午後12時からの営業。
(水曜日定休日)
手を振り、それぞれ帰宅。
こうして、無事に一日が終わったわけである。
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本日はありがとうございました。
明日も、是非お越しくださいませ。
「ご主人様」のご来店お待ちしておりますvv
明日はどんな一日になるのかな…☆
ちぁーずミニ話。
2話に続く〜〜…のかどうかはまだ未定である(笑)
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