【3人の小娘】
あるところに仔豚のような、元気で可愛い3人娘(三つ子)がおりました。
18歳、高校を卒業間近とした春休み中、お母さんがいいました。
「お前たち、もう大人になったのだから自分で家を探してすみなさい。
私は、再婚しますからね!」
「え?」
突然のお母さんの発言は、ショッキングなものでした。
でもお母さんも40歳とまだ若く、美人。その上気風も良いのでもてるのです。まぁ、しょうがないですね。
仕方がないので、3人娘は一人暮らしをすることにしました。
3人で住んでも良かったのですが、せっかくだから一人暮らしをしてみたかったのです。
「あ〜あ〜、なんだかめんどくさいわ〜」
一番上(三つ子なので数分しか変わりませんが)のレナちゃんは、めんどくさがりやさん。
家は、「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」で適当に資料の中から決めました。
「うん、家を決めるのなんかカンタン、カンタン」
真ん中のレイちゃんは、楽観的☆
家は不動産屋さんのオススメを選びました。
「せっかく家を買うなら、ちゃんとしなくちゃね!」
末っ子のレンちゃんは、しっかり者です。
ちゃんと、自分のこだわり(耐震強度、日当たりなど)を貫いたものを用意しました。
しかし、世間知らずの3人娘…どうなることやら…
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ぴんぽ〜ん
「はーい」
がちゃ。
レナちゃん、ドアを開けるときは誰が来たかちゃんと確認しましょう。
でないと、危険なことになりますよ。
「ねぇ、通信販売のお知らせなんだけど。買わない?化粧品つけるよ?」
案の定、髪の毛を逆立てているガラの悪そーな兄ちゃんが、立っていました。
「いりません!」
ちょっと慌てて、ドアを閉めようとしましたがもう遅く、
兄ちゃんの手はしっかりとドアをつかみ、片足は閉められないように玄関に入り込んでいます。
「ね〜ぇ、そんなに邪険にしないでさ。怪しいものじゃないし。
ちょっとこのカタログ見て、高いもの買ってくれたらいいんだよ〜」
勝利を確信した表情に、猫撫で声。
脅えたレナちゃんの顔をみて満足そうに「かわい〜ね、キミ」といいました。
その途端、レナちゃんは脱兎のごとく逃げ出しました。
どこに?外に!
どうせ、引越ししたばかり。
財布はポケット入れてるし、家の中にもろくなものありません。
盗られたらヤだな〜と思うものは、強いて言うなら、ちょっとフンパツして買った魔女の宅急便のトイレのマットくらいです。
それより身の危険を感じたので、即逃げることにしたのです。
まずは、家から歩いて5分ほど離れたレイちゃんの家!!
――――タスケテ!!
マンションの階段を一足飛び、裸足のままでかけてくレナちゃんはサザエさんも真っ青なスピード。
唖然に思った兄ちゃんは、一瞬動きが止まりました。
でも、すぐ我に返り追いかけました。
オトコとゆーのは狩猟民族なので、逃げると追わずにはいられない生物なのです(民明房書房より抜粋)
「おい、待てよ!」
叫んで追いかけていきます。
―――やだぁ〜、追いかけてくる〜!!マジこわぁ〜い!
どんどんどんどん!!
「あたし!レイちゃん開けて!!助けて!」
チャイムではなく直接、ドアをノックして叫びました。
運よく、家でテレビを見ていたレイちゃんが気づき、慌てて入れてあげました。
「ちょっとー、どうしたの?アンタ、裸足じゃないの!」
「…はぁ はぁ はぁ…変な勧誘の人が…こ…こわかったぁ…」
訳を話し、ちょっと落ち着くまでいさせて欲しいと頼むと、レイちゃんは快くOK。
ただし、ちゃんと注意もしました。
「いい?こんなことがレンちゃんと母さんに知られたら、アンタヤバイよ?絶対ナイショにしときな!」
いきなりドアを開けたレナちゃんも悪いのです。
こういうおバカなことは、母さんはもちろん、その血を色濃く引いたレンちゃんも許さないでしょう。
たっぷりとお仕置きしてくるはずです。
そのことを想像して、2人は身震いをしました。
ま、そこはそれ。
無事だったんだからと喜び合い、おやつを食べ、ニンテンドーDS等で遊び、テレビを見て楽しく過ごしました。
ふ〜。
夜中まで遊んで、2人はコンビニにお菓子を買いにでかけました。
「何買う?おつまみ?お酒も買っちゃう?」
「うん、コ○ラのマーチとかっぱ○びせん。それからさきイカと〜お酒はレモンサワーがいいなぁ」
「じゃぁ、アタシはビールね」
18歳の二人でしたが、気づかれず、難なくコンビニ店員からお酒をGET。
さっそく、歩きながら飲み始めました。
でも和気藹々と話ながら飲んでいたので、前を見ていなかったレイちゃんは、
――ドン!
誰かにぶつかり、ビールを落としその誰かの足に全部こぼしてしまいました。
「あっ、ゴメンナサイ!!」
慌てて謝ったのですが、相手が悪い。
陰険そうな目つきをした、いかついおじさんだったのです。
「ゴメンナサイですむか、ォラァ!!弁償しろよ、この小娘どもがぁ!!」
怒気をはらませながら、居丈高に言い放ち、今にもしめられそうになったとき…
2人はくるりと向きを変えて逃げ出しました。
逃げ足だけは速いのです。
こんな怖い人につかまったらどんな目にあうか!恐ろしくて、余計スピードもあがります。
「レンちゃんち行こう!」
レイちゃんが叫び、ルートを変え、2人は追いかけてくるおじさんを撒きつつ10分間走り続けました。
「レンちゃん、開けて!!開けてよ!!」
レンちゃんは、地震が怖いので1階に住んでいます。
やっとついても夜中の1時半。
寝ているかもしれません。
レイちゃんが扉を叩いて叫び、レナちゃんはおじさんの様子を伺いながらせかしています。
見つかった!?
なおもしつこく追いかけてくるおじさんの姿に、「もうダメだ!」と思った瞬間!
ガチャ。
扉が開き、2人はなだれこんでドアを閉めました。
「なぁにしてるのよ!」
こわーぃ顔で、レンちゃんが立っていました。
機嫌がとても悪そうです。
「う…」
その迫力におされた、2人は洗いざらいを、疲れた息と共に吐き出しました。
「ふぅーん…」
腕をくみ、玄関の壁に寄りかかっていたレンちゃんはうなずきました。
そして、
「ま、立ち話もなんだから、こっちきて」
2人を部屋へ案内しました。
部屋には…なんと!
レンちゃんの彼氏がいました!!!
ずっと年上に見える、落ち着いた感じの人で、黒のTシャツにジーンズといったラフな格好をしてくつろいでいます。
びっくりです。
レイちゃんとレナちゃんは、ぽかーんとして口をあけました。
そりゃ、2人とも彼氏がいた時期はいるし、今だって気になってる男のコはいます。
でも、オトコの人を泊まらせるなんて!
あの、おとなしいレンちゃんが!
驚いてる2人を見ながら、彼氏が少し笑って挨拶しました。
「やぁ、ごめんね。お邪魔してるよ。俺はロイ。よろしくな」
「あぁ…はい!こちらこそ…」
「よろしく…」
「ねぇ、ロイ。聞いてた?」
レンちゃんが話しかけると、ロイはうなづきました。
「聞こえてたよ。2人とも、あぶなかったな…」
優しい口調の彼に、レンちゃんは頭を振り眉をしかめて「そうじゃないわ」といいました。
「2人とも、いい?お母さんがなんて言ったの?
自由になるからって羽目をはずさないように!女の子の一人暮らしなんだから、気をつけなさいって。」
「わかってるわょ…!」
「そ!たまたま、失敗しちゃっただけ!今度はうまくやるわ!」
すっかり立ち直って、ケラケラ笑いながら、2人は答えました。
さっきのことは忘れて、早く、レンちゃんの彼氏とおしゃべりしたい様子です。
「約束してね、もうしないって!」
「しないよ〜、大丈夫大丈夫!」
「あ、お酒買ってきたんだ!レンちゃんもロイさんも飲む?」
逃げるときでも離さなかった(捨てる暇がなかった)ビニール袋にはビールが1本。サワーが2本。
「あ〜、1本たりない!」
「いいよ、コップについで分けっこすればいい!!」
わいわいわい♪
レイちゃんもレナちゃんも、意識はお酒のほうに夢中…
「はい。ストップ!」
突然、ロイさんが2人の間に入りました。
「え?」
「え?じゃないよ。2人とも。レンと同じ年ってことは未成年でしょ?
目の前で未成年にお酒を飲ますわけにはいかないんだ。現行犯だね…見過ごすわけにはいかないな…」
「は?」
「ソファーに2人とも手をついて。」
「え?」
「いいから!早くしなさい!!」
なんだか逆らえない、彼の態度に驚いて反射的に慌てて手をソファーにつきました。
「ん?」
前かがみになって、お尻が突き出される格好になります。
レイちゃんはジャージでした。
レナちゃんはプリーツスカートです。
ロイはすばやくジーンズを下ろし、スカートをめくりあげると、パンティ姿になった2人のコのお尻をいきなり叩きました。
ぺん ぺーーーーん!!
「きゃぁ!!」
「あん、なにするのよ!!」
眉をしかめて叫ぶも、優しげな声がガラリと変貌。
逆らいがたいほどの迫力で、静かにロイはささやきました。
「オレは警官の端くれなんでね。補導するぞ、コラ」
げげっ
よりによって警官に酒を勧めてしまったのだから、2人は真っ青になりました。
「レンちゃぁん、助けて〜!!」
「彼氏なら、なんとか止めて〜!!」
すがるも、レンちゃんも首を振りました。
「レイちゃんもレナちゃんも、ちょっと分かってないよね。
お母さんに知られるのと、ロイに叱られるのどっちがいい?」
…脳内で、激怒したおかんが大きいヘアブラシをふりかざして
「2人とも!!ここにきてお尻出しなさい!!1週間は座れなくしてやるからね!!」とすごむ姿を想像。
2人は観念しました。
「ゴメンナサイ!!もう反省したから!!」
「おやおや、素直だね。でも本当に理解したのかな?」
ぺんぺんぺんぺん!!!
お尻を連続して叩くと、レイちゃんは悲鳴をあげます。
「やめてよ〜!」
じんじんとお尻が熱をもちます。
身をよじったり、みっともなく騒ぎ立てる様子にロイは決心しました。
そうカンタンに懲りなさそうな2人…。
この際、徹底的にやろう…
ばしばしばしと容赦ない打撃を常に、絶え間なく与えていきます。
力が抜けたときを見計らって、一番効くような痛みを…。
あっとゆーまに2人のお尻は、パンティ越しからも分かるくらい赤くなりました。
もちろん手でかばったり逃げようとしたり、色々ありましたがその瞬間、ロイがひくぅい声で活をいれ、2人はうごけなくなるのでした。
―――ごめんなさ〜い!!
―――もうしませ〜〜〜ん!!!
―――痛いよぉ〜〜〜〜(>□<)
―――反省した!!もう限界だからぁぁぁぁ!!
口だけはくるくるまわり、それでもだんだんと余裕を失ってきて最後は、本当に哀願し叫び始めたとき。
ロイは叩く手を止めました。
「何がわかったの?」
きれぎれに2人は言います。
お酒は飲んではいけないこと。
夜中に無闇に出歩かないこと。
一人暮らしをする以上、責任を持って生活していくこと。
きちんと理解している様子の2人に満足しつつ、ロイはため息をつきました。
分かっていながらこんなことをしていたのか…
ん?
黙って見ていたレンちゃんの様子に気づき、ロイは声を掛けました。
「あと30発。それで終わりにするから。レンもお尻出して」
「えぇ!?私!?ワルイコトしてないじゃん!!!」
「そうかな?昨日、鍵閉め忘れたし、オレとの約束破って門限11時破ったことも知ってるんだぞ?」
「え(汗)」
「数分だったから見逃したけどな。とりあえず、女の子の一人暮らし。
何も事故が起きないために、気合を入れなきゃな…」
「…えぇぇ…」
しぶしぶ同じ姿になった、レンちゃんは2人の横に並びました。
「30回!!」
レイちゃんから順に叩かれ、3人は悲鳴をあげどうし。
数に直すとあっけないのに、叩かれている最中は長くつらい時間でした☆
やっと終わったときは、お尻はずきずきして感触もなんか違うw
さすりながら、涙目で恨みがましそうにロイを見ていると、彼は噴出しました。
「こぶたちゃんたちが、こざるちゃんたちになっちゃったなw」
失礼な!!
憤る3人に、笑いを収めて「もうあぶないことをしないこと。酒・タバコはご法度」と念をおし、頷いた3人の頭をなでました。
「レンは大事な彼女だからなw
でもレイもレナも妹みたいなもんだ。兄ちゃんって呼んでもいいからなwww」
「うっさいょ…」
「あん?なにか言ったか?」
「いーえーなんでも〜♪」
お尻を叩かれたショックで、思わず毒づくレナちゃんだったけど、それはもちろん照れ隠し。
兄ちゃんか…
女の子だけの三つ子だったから、兄ちゃんはうれしいかも…。
―――オマケに顔もいいしね(ニヤリ)
―――ねwww
―――ダメ!!ダメだよ、あたしの彼氏なんだから!!
―――大丈夫大丈夫、とんないとんないww兄ちゃんでいいからw
―――??
小声でじゃれあう姉妹を見ながら、ロイは微笑ましいな〜とニコニコしました。
それからもちょこちょこ、ロイにお仕置きされながらも、3人娘は楽しく暮らしましたとさ。
おしまい(強引に完)
2007年04月19日(木)