注:これはヤオイ含みます。嫌いな方はご注意を!!!

何気にここまで書いたの初めてだ。

OKな方はスクロールを下に。

 

 

 

 

 

 

 

 雷蔵  三郎

 

【危険な術!の段】

  「房術」…男女間の交わりを前提とする忍法のことを指す

 

 

夏は暑い。

蒸し暑い。

それはわかってるけど、くっつくのをやめる気はなかった。

 


房術を習ってから、練習するつもりで親友を誘う。
そう、大好きな親友。
もちろん練習相手は彼しか考えていない。
この術を教えてもらうのを待っていた。

彼は最初は困った顔になっていたのが、次第に愉悦を楽しむ顔になった。
照れたように笑い、了承の変わりに無言でうなづく。

…いつのまにか、自分たちは「共犯」となった。

 

ずっと望んできたことが現実になって。
俺は浮かれてた。
親友も、最初はたしなめるように「ダメだよ…」っていってたのに。
強く言うと逆らわない。
言葉ではなく、顔がもう「望んでいる」。


二人の想いが一つになって、二人の身体も一つになる。

 

「はぁっ…!」

暑い空気よりもさらに熱い吐息が耳にかかると、俺の身体は猛り。言いようもない甘い疼きがこみあげる。

「らいぞ…ぉ…!」

たまらず、抱き締めて、口唇を強く吸う。

目をつぶりながら、まさぐる手つきがぎこちないのが雷蔵流。
でも、それでも触ってくれるのが嬉しくて俺は喜ぶ。

お返しに、と細心の注意を払いながら、ゆっくりと首筋から胸元まで舌を這わせて。
どこがいいか、もうそれは知ってるから。

「さぶろぅ…」

彼が消えゆるような声で自分の名を呼ぶ。
ゾクゾクとして、これ以上ない幸せを感じる―――…

俺のものが雷蔵の中へ。

房術と言いながらも術の意味を忘れ、その行為を彼とできるのが、とにかく幸せだった。

1回だけ…明日も…明後日も…気付けば離れられなくなっていた。
何日間はそうやって夢のような時間を過ごせたのだ。

だが…

 


「そこまでだ!」

!?

ガラ。

数日後のとある夜中、行為の最中いきなり無造作に扉が開かれ、そこにいたのは

「木下先生!?」

忍術学園一の強面、五年生教科担当 木下鉄丸先生だった。

 

俺は頭が真っ白になった。
もちろん雷蔵もそうだったに違いない。
丸い眼が、さらに大きくなり恐怖で見開いている。

だって、俺達は裸で。
何をやってたかは一目瞭然だったから。
先ほどまでの幸福感と快感、熱い感覚から、一気に血の気が引き現実に引き戻された。

正直に言うと、恨めしい気分もある。
最高な瞬間を邪魔されたのだ。

だが、それ以上に恥ずかしさと、なんでここに?という疑問と後ろめたさが交錯して、パニックになる。


見られた!?
バレ…た!?


木下先生は、そのまんま扉を閉めると、どっかとあぐらをかいて座った。

「まぁ、とりあえず服を着ろ」

思っていたより平坦な声だ。
怒鳴りまくって怒るかと思っていたのに。

真っ裸では話はたしかに出来づらい。

俺と雷蔵は、気まずさでお互い顔を合わすこともできずに、ノロノロと寝巻きをひっかけた。
言われたわけでもないのに、自然に正座になる。


「では、問題だ。 
武器などの道具を目線に対して水平にすることで道具の曲がり具合を確認するための技術は?」

は?

木下先生はさらに問題を重ねる。

和千寺から繰り出される防御のことを何と言う?」

「冬青を行う時の基本姿勢は?」


えと、えと…
先ほどのショックが尾を引いて頭が働かないが、それでも雷蔵と必死に答えを言っていく。

(ちなみに答えは、1「秋風」 2「桜雅(さくらみやび)」 3「低姿勢(隙が出来るので敵の攻撃を受けないよう)」 )

「遅い!」

そこで初めて、先生は仏頂面を怒りの顔に染めて、切るような迫力で言い放った。


「お前ら、房術におぼれたなっ
 注意事項を言っていたのに聞いてなかったか。
 快楽に溺れ、俺の気配にも気づかず、問題に答える余裕もない!
 この問題は3年生の問題だろうが!
 そんなことで忍者が務まると思うのか!!!」


ズキ。

あまりに正論だった。
忍者の三禁にも「色に溺れるべからず」
基本中の「き」で、1年坊主だってわかってることだ。

でも…!

でも…じゃない。
なにも言い返せない。


「俺が敵なら、其の場で殺すことも容易い」

「すみません…」

ひたすらうなだれるだけだったが、それで赦すような教師ではない。
それはわかっていた。
…が。

「身にしみて懲りてもらおうか。
 二人とも四つん這いになれ」


Σ(゜Д゜;)

やはり、その言葉を聞くと平静ではいられない。
しかも、持って歩いてたのか…竹製の差し棒をぴたぴたと手に当てて、ぎろりと睨んできたのだ。
少し落ち着いたはずの心臓は、またドクドクいって気持ち悪くなる。


「待ってくださいっ すみません!
 それだけはやめてください!!」

雷蔵が必死に頼むが聞き入れてもらえず

「不破。これ以上俺を怒らす気か。」

の一言で撃沈した。


これ以上怒ったら。
何をされるか本当にわからない。
雷蔵は必死に俺に目配せを送る。

  ―― サ カ ラ ウ ナ!

はぁ…

ため息をついた。
逃れる術を思いつかず、仕方なく言われたとおりの格好になる。
並んで罰を受けるのがなんだか気恥ずかしい。


でも、雷蔵と一緒だから、…まぁいいかな(−v−)
この期に及んでも、そんなことを考えちゃう俺って…ホント馬鹿。


まぁ、そうノンキに構えてばかりいられない。
寝巻をめくられ、下半身をむき出しにさせられたからだ。
先ほどまで火照ってたはずの肌に、夏のなまあったかい風がまとわりついた。

・・・・・・

やはり羞恥心をくすぐられてしまう。

後ろで先生はどんな顔をしているのだろうか。
いつもよりも苦虫をつぶしたような顔になっているのだろうか。
そして、どんなことを思ってるのだろうか。
…まぁいいけど。

「ひぁっ」

隣で小声で雷蔵が悲鳴を上げた。

それに気付いた途端
びゅっと空を切り裂くような音がして、例の差し棒が俺の尻を打った。


 ビシィ!


「!」

打たれてすぐ、じんわりと熱さとひりつき感が広がっていく。

それからは、規則正しく交互に差し棒が、俺らの尻に当たっては離れていく。

びしばしと肌に当たる音と、雷蔵の息遣いや小さい叫び声を聞きながら
俺も、すぐに余裕がなくなった。

イタイ。イタイイタイイタイイタイ!!!

細い、切り裂かれるようなきりきりとした痛みが次々と与えられるのだから。


「あぁ!」

「っぁ!」

「せんっせぇ…!!」

「いたい!」


15発までは数えてたが、それ以上はわからなくなった。
切れ切れの声が、自分のものか友のものかも区別つかず

拳を必死に握り締め、目をつぶって。
流れ落ちる汗を、まとわりついてくる髪の毛と共に感じて。
萎えそうな腕をつっぱらせて、「笞のお仕置き」に耐える。

「イタイ?当然だ!」
「刺されたらこんな痛みじゃすまないぞ!!!」


ひぃ。
まだ怒ってらっしゃる!?

 

自慢じゃないが、俺も雷蔵も優秀なほうだ。
6年生相手にだって、勝つ場合だってあるし、教科によっては成績だって抜くとも思う。

が。

この学園の教師たちには…まだ…まだまだかなわない…!

敵わないことを、今、文字通り身をもって叩きこまれている――。

 

 


ひりつく尻と、握り締めた拳の感覚のなさが対照的で…
俺は打たれる度に雷蔵を想い、この痛みに耐えている相棒を気遣い、吠える――!!

 

 

 

笞の音がやんだのは、いつのことだっただろう?

限界を見極められ、俺たちは極限まで追いつめられた。

膝と腕ががくがくと笑い、尻がたとえようもなくうずく。痛い。
ふと、隣を見ると雷蔵が、目を真っ赤にして茫然としていた。
尻を抑える震える手から、はみ出た部分には赤い線が見える。

よかった。

血は出ていない。
皮膚が破れる寸前で止まってる。


「さて。」

木下先生がしゃがみこんで、目を見てくる。

「反省したか?それとももう1回尻叩きが必要か?」

「は…反省しました!」「それはもう!なので…笞は…もうやめ…っ」
「ごめんなさい!」

雷蔵と共に必死に言う。
もう1回?冗談じゃねえ!
もう10回でも追加されたら、俺たちの尻はボロボロになっちまう!

あわあわと一生懸命説得した結果
追加の罰として3年生の忍たまのドリル1年分の宿題をもらい、やっと許してもらったのである(−−;)
(3年生の問題は軽いが、なんせ量が多いので自由時間がかなり短縮されてしまうだろう)


最後の一睨みをしながら木下先生はもう一度注意と叱責を繰り返し、それからやっと俺たちの部屋を出て行った。


扉が閉じられた途端、愛想笑いがひきつる。
出て行ったあともしばらくはまた突然戻ってくるような気がして、ドキドキしたものだ。

あの顔を夜中に何度も見るのは、心臓に悪いwww


「…はぁ」

大分時間が過ぎてから、雷蔵が大きい一息をついた。
はぁ。
もう…戻ってはこないだろう。

やっと、安心した。

 

「…三郎」

「雷蔵」

振り向いた顔は、困ったような笑顔だった。

「怒られちゃったねぇ…」

「ねぇ…(^し^;)」


二人で向い合せになって、寝そべった。
お尻がズキズキしてるから、座りたくないのだ。

 

三郎と肌を合わせることは楽しかったのに。
それができなくなるなんて。
ちょっと寂しいかも…

ぽつりぽつりと雷蔵が話してくれた。

らいぞぉおぉぉ!!
いとおしいやつ…!!!

ちょっと昔までは考えられないくらいの、進歩だ。
昔は、俺の気持ちもちっともわかってもらえず、セツナイ想いをしていたというのに。


ぎゅーーー。
思わずその首を抱きしめて、その汗ばんだ熱さを感じてみる。
この感触もニオイもふわふわした髪の毛も。
愛おしい。
やっぱり…離れられない。


「大丈夫…
 俺たちが油断しなければやってもいいって言ってくれたんだよ…」

耳元で囁く。

「え?」


「木下先生は、溺れるなとだけ言った。
 やめろとかバカなこととか俺たちの関係を否定するようなことは、一言も言ってない!」

「…そういえば、そうかも…」


そうなのだ。
男同士がどうとか、子どものくせにとか。
そういうことを言わないでいてくれた。
このことが嬉しい。

だから…

「いきなり来られても、逃げ切れるくらいの注意力を持ってすれば!
 来られても何を聞かれても答えられるくらいの、学力と反射神経を養えばいいってことさ。」

「…それも難しそうだけど…」

さっきから雷蔵は少しだけ声が小さくなってる。
でも、それは照れてるだけってわかってる。

「だから…」
答えは?

「うん、これからも…よろしく」


そうこなくっちゃ!!!


満面の笑顔で俺は、彼に口づけた。

俺と雷蔵の秘密の関係は…まだまだ続くのだった♪

 

 

後日談

「おや、どうしたんですか?木下先生?」

「あぁ、これは校医の新野先生…。
 房術を教えた途端、色にハマる生徒が続出しましてね…(^^;)」

「あぁ…毎年のことながら、仕方ありませんね…
 5年生ともいえば、興味も出てきますし」

「まぁ、あいつらもそうやってだんだんと大人になってくんですがね…
 しかしねー。
 忍者としての心構えを、1年生から教えないといけないくらいのレベルにまで落ちるんですよ。
 困ったものです。
 もうすっかり初心を忘れてますからな。

 今度、新野先生に保健の授業をお願いしたいのですが…。
 よろしいでしょうか?」

「いいですよ。ではとっておきの話をしてあげましょうかね…
 忍びとしてだけでなく、衛生面について知ることも大事ですからな。」


先生たちは先生たちで、色々と苦労も多いようであった。

 

 

2011年1月4日

 

はやと

はぁはぁはぁ、つい…やっちまった…
ここまで来たか、脳内。
いや、これ思いついたの結構前なんですけどねwww
なかなか勇気出なかったけど、ついに煩悩をお見せしちゃうことになりました。
正月明けからまったくもう(笑)
すみませんねぇ☆
でも、書いててすっごい楽しかったです。

途中で木下先生が質問した問題は、忍たまには出てきません。
1年生が答えられそうもない問題を、一般的サイトから探すので苦労しました。
まぁ、さらっとスルーしてくださることをオススメします(^^)


雷蔵と三郎はこんな調子でずっといればいいと思う♪

 


共感してくれる人…いるかな…?(汗)

 

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