【お気をつけましょう】

 

最近は、PCも一人一台当たり前、ネットやり放題。

電子の波に遊び遊ばれる世の中。

俺も、早く自分のPCが持ちたいよ。

 

そう言ったら共同でPCを使っている兄貴(24)がダメだしをしてきた。


「お前、ネットの怖さを知らねぇな?
いいんだよ、んなもんは適度に使っときゃ。
やりすぎて、ウィルスとか荒らしとかネット犯罪にとっつかまったらどぉすんだよ!?」

「…俺、そんなにバカじゃない」


そういうやりとりが交わされたのが、3日前のことだった。

 


*****


や、やっちまったよ―――――――((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

画面には【このサイトへの自動会員手続きが終了いたしました。
会員料金として55000円の振込みをよろしくお願いいたします】の文字。

【なお、退会手続きは電話からはできません。
2日以内に振り込まれない場合は強制措置をとらせていただきますので、すみやかに下記の場所まで振り込んでください】


いつもの如く、ネットで遊んでいるときだった。

面白そうなフラッシュ(可愛い女の子がHなカッコでヤられているやつだ)があったから、つい…。

    ポチットナ☆ヽ(´-`)ノ


クリックしたら、【18歳以上ですか?】の欄と注意書きが出てきた。
一応18歳だから、自信満々でクリックをしたら、いきなりこんなのが出てきてしまった…。
急いで読み返してみたら、
「このサイトへ飛ぶと、自動会員となり55000円の会員料金が必要となります」とちゃんと書いてあるではないか!

ヤバ…見てなかった…。

俺は一気に蒼ざめた。

脳裏に一気に色んなヤヴァイ想像が駆け巡る。

コワ━━━━━(:゚Д゚;)━━━━━!!

55000円…俺、そんなにいっぺんに払えないよ…。

 
料金払えない→怖いおじさんが学校と家に連絡→学校退学→親泣く兄ちゃん怒る→俺の人生真っ暗。


イヤダァァァァァ━━━(;´Д`);´Д`);´Д`)━━━!!!

 


血の気が引いて、気分が悪くなってきた。

どうすんだよ!

エロフラッシュだって見てないし、いきなりこんなんになるのはいくらなんでも酷すぎる!!!
でも、今更戻せやしない!!
どうする!?
どうする俺!?
2日以内に振り込まなかったら、どうなるの、俺!!???

気分が悪くなったついでに、泣きそうになってきた。

それに、これ兄貴も使うPCじゃんよ。

バレルかな?
いや、ばれるだろう。

俺…もう、家出するしかないのかな…。

 

ここまでの時間、約20分間。

部屋をウロウロしていたら、いきなりドアが開いて、当の兄貴が入ってきた。

 

「よぉー、PCまだ使うの…って?何、お前。どうしたの」


「あ…(゚A゚;)」


思わず、口がパクパク。そうするしかなく、隠すことも出来ないで、俺の異変はあっさりバレた。

もう、観念するしかなく、助けを求め泣きついた。


「っっっの、バカ!!!!」


案の定、青筋立てて怒鳴る兄貴。
 

「どうしようどうしよう、俺…どうしよう…」


でもそれどころじゃないんだ。
金を払えなきゃ、俺は身の破滅なんだからな!!
怒られてもいい、何されてもいい。
お金貸して。
助けて。


必死な俺を見て、兄貴はため息をついた。


「わかった。わかったから落ち着け。」


「いいか、こういうのは1回払うとまたなんだかんだ言って金を取り立てようとするんだ。
立派な詐欺だな。ほっとけばいいんだよ。」


「だから、いいか。余計な情報を与えるんじゃないぞ?
メアドとか番号とか絶対に知らせるな。無視しておけ。
慌てた愚かなヤツが金を支払ったり情報を送ってきたりするのを、待ってるだけなんだから。」


「で、でも…」


「いいんだよ。ほっとけば。強制措置?いざとなったら警察にでも行けばいい」


そこまで説明されて、やっと、俺はすこし安心した。

まだ心臓はバクバク言ってるけど…。

2日間経ったらどうなるのか怖いけど。
でももしかしたら大丈夫なのかもしれない…。

兄貴に言われなきゃ、絶対慌てて何かしらボロを出してそういう詐欺師のエサになるとこだったんだ…。
そう考えると、めっちゃ、怖い。
すっげ、ネット怖い…。
改めて、こういう世界の恐ろしさを知ったような気になった。
しばらく、物思いにふけっていると


「さて。」


ぎく。

低音ボイス。しかも冷ややか。
明らかに怒っている声だ。

今度は別なピンチに立たされる身となった。

  _, ._
( ゚ Д゚) どうする俺!!


しかし、どう考えても避けられない状態に。。。


手首をものすごい力で掴まれた。
痛いほどだ。

「っ、兄ちゃん、痛い!」

 
「ったりめーだ!!怒ってるんだからな!!お前、ここまでバカだったとは!!」


「う…ゴメ…」


「謝ってすむ問題と、すまない問題がある。
お前は少し世間というものを知らなさすぎだ!!のっこのこカモになりやがって!!このバカ!!」


バカバカいうなよぉ〜、自分でも思ってるんだから…。


「お前…覚悟しろよ」


ちょっ、まて!ヤメロって!!
なにすんだよ!!
なにをする!!!!!


「何って、お仕置きだよ。」

Σ(´□`#)

え!

ベッドに上半身だけ引きずり倒されて、背中に乗られた。
いくら俺が男でも力が強くても、自分よりガタイのいいやつに乗られたら身動き取れない!!
この格好は…この体勢は…!!

ヤダ!
イヤダ!!
ヤメロ!!!


【脳内】
      ∩  _, ,_ ヤダヤダヤダ!!
      ⊂⌒( ゚д゚ ) /)
  ∩ _, ,_ `ヽ_つ ⊂ノ ( ⌒ヽつ
⊂⌒ ( ゚д゚ )      ⊂( ゚д゚ )つ. ∩ _, ,_
  `ヽ._つ⊂ノ             ⊂⌒( ゚д゚ ´)
   /)               /)゛`ヽ.つ⊂ノ
  ( ⌒ヽつ    ∩ _, ,_   ( ⌒ヽつ
⊂( ゚д゚ )つ. ⊂⌒( ゚д゚ )⊂( ゚д゚ )つ
          `ヽ._つ⊂ノ コワイコワイコワイコワイ!!!

 

グイッ

ジャージとパンツが同時に勢い良く、引っぺがされた。


「だりゃぁぁ!」


バッシーーーーーーーーン!!!


「ぁあああ!!」


スッゲーーーー衝撃!!
力任せに、尻を思いっきり叩かれた。

続けざまに2発、3発、4発!!!!

容赦がない。

痛い!
痛い!!

痛いぃぃぃぃぃ!!!!!


「まった、まって、兄ちゃん、ゴメン!!」


「うっさいわ!!」


ピッシャーーーン!!


「痛い!!痛いよぉ!!」


「当たり前だ!俺が居なかったらお前どうなってたんだよ。反省しろぃ!!」


「反省してるからぁぁぁ!!」


みっともないけど、ホントガマンできねー痛みなんだって!!
体勢が体勢だから、尻の肉がほとんど突っ張っていて余計痛い。
ジンジンジンジン疼くのを感じる間もなく、続けざまに叩かれるのだから、ものすごい辛い!!
もう、何十発くらってんだかわからないけど…もう…限界だよ…。

バシッ  バシィッ

バシッ  バシッ   ビシッ

バッチーン!!!


「ご、ごめんなさい!」

「もう2度としないから!!」

「絶対に!!」「反省してるから!!」

18にもなるのに、子どもみたいに叫びまくる他なくて。
涙も痛さのため、勝手ににじんできやがった。
背中の重みが抵抗力を奪っていくよ…

 

 

「おっし、このくらいで許してやる」

 

その言葉を聞いたときには、俺はすっかり息が上がってしまっていた。

どれだけ叩かれたのか、分からなかったが、とりあえず、尻は燃えるように熱を持っていて激痛を発している。
鏡、見てえ…見なくても真っ赤だってことは分かるけどよ…。

情けなくなってきて、痛みだけじゃなく、また勝手に涙が滲みでてきた。

「ゴメンナサイ」

最後にもう一度言うと、


「うし、これに懲りたら、あんまヘンなことすんじゃねーぞ」

って髪をくしゃってやって、兄貴は部屋を出て行った。


良かった…許してもらえたよ…。


なんかここ1時間くらいで急に、疲れが出たみたいだ(汗)

ああ、うかつにクリックした自分を呪うぜ…。
最悪だ。
それまでのゴキゲンな生活が一転しちまった。

2日後も怖いよ…。

それから2日間、尻のひりつき&打撲による色の変化に嘆息しながら、
戦々恐々と悪魔のような催促メールが来るのではと心配していた俺だったが。

幸いなことに何も来なかった。
だが、あの恐怖は抜けない。
しばらくは広告、フラッシュ、見知らぬサイトそういったものには近づかないようにしていた俺だった。


皆も気をつけるといいぜ。


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   |   
.  Λ Λ  / お仕置きはきつかったっす。
  (,,゚Д゚)⊃ 反省したっす。
〜/U /
. U U  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

はやと

2006年08月05日(土)

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